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■当社の業務内容は「経営支援なんでも屋」 私は2000年10月に「株式会社ドモドモコーポレーション」を設立した。社名の響きからか、「ドコモの関連会社ですか」とよく聞かれる。しかし、当社はドコモとまったく関係ない。これもよく疑われるのだが「ドコモの名を語るインチキ会社」でもない。当社は、きわめてマジメな会社のつもりである。お手柔らかに。 さて、では当社はなにものか。当社は「感動のビジネスを支援する」をポリシーに、中小企業経営者に対して経営全般のお手伝いをしている経営コンサルタント会社である。当社の具体的な業務内容は、経営相談、経営診断、ITの経営利用、経営戦略立案、販売促進支援、財務診断、アンケート調査、社員研修、ホームページドクター活動等である。 当社の契約スタイルは、定期的にクライアント企業に訪問して、年度の経営戦略を達成していこうとする年間契約型が多い。また、行政や各種団体などの依頼もあり、数回程度中小企業経営者のところに訪問する経営支援活動も行なっている。また、ホームページドクター活動として、年間契約のクライアントに毎月ホームページのチェックと助言を行なっているが、この活動は基本的にメールでのやりとりであり定期訪問はしていない。訪問しない分は利用しやすい料金体系でのコンサルタント価値提供を行なっているつもりだ。クライアントの業種も、農業関連、食品関連、製造業、サービス業、小売業、IT関連業と幅広い。 このようにクライアント企業のニーズに応じて様々な支援のかたちを採用している。当社の特徴をひとことでいうと、「経営支援なんでも屋」といえそうだ。なお、私がこれまでに取得した資格は、中小企業診断士、ITコーディネータ等、経営とIT関連が多い。 ■農業経営者に戦略立案のお手伝い では、私のような経営コンサルタントが農業経営者に対してなにができるかを考えてみた。経営支援なんでも屋だから、なんでもできるかもしれない。が、なんでもできる裏返しはなにもできない。そう思われても困るので最も有効だと思えるものを挙げておく。それが「経営戦略立案のお手伝い」である、と私は考えている。 現代の環境変化は急激で大きい。これまでの経営のやりかたのままで、未来の成功は保証できない。昨日の延長が明日ではないのだ。工業化社会から情報化社会に移行しており、単に有形資産に対して投資や管理をするだけではなく、長期的な能力や顧客との関係などにも投資することが、企業の成功を左右する時代になっている。今こそ、明確な社会的使命感(ミッション)に支えられた経営が求められていると考えられる。 農業も例外ではない。農業を経営として考えるのであれば、いかに環境変化に対応し戦略的経営を実行していくかどうかだ。そのためにもミッション・ヴィジョンに基づき、自ら変革にチャレンジすることが重要になっている。 ■ミッション・ヴィジョン経営 ミッションは使命、ヴィジョンは将来展望である。自分は将来なにものになりたいのか、なにをやりたいのか、そしてなぜそう思うのか、などという自分の心の核心への探求にいたる。経営者にとっての熱い思いなどもミッションやヴィジョンと直結する。ミッション・ヴィジョン経営への第一歩は、将来なりたい自分の姿を具体的に描くことである。 それが描けたならば、次に行なうべきことは実現のための具体策を立て実行に移すことである。それが戦略である。戦略は階層的に捉えるとわかりやすく、上位から戦略、戦術、戦闘と3層にわけるとよい。戦闘とはまさに日々の業務のことであり、この日々の業務にまでミッション・ヴィジョンが浸透していなければならない。 しかし、ミッションやヴィジョンから経営戦略を明確にし日々の業務に落とし込んで実行している農業経営者は少ない。大きな使命感(ミッション)や将来構想(ヴィジョン)はあるものの、それは単なるお題目になっており、日々の活動とまったく関連付けられていないという例も見受けられる。 また、ヴィジョンや経営戦略を明文化していない農業経営者も多い。未来を見据えたヴィジョンがないということは、企業としての将来の道筋をどうするかという検討もできない。次世代に経営継承などおぼつかないのではないか。そんな状態で補助があるからと投資をするとは将来どうなっちゃうのか…、と心配しているところである。 実は、農業ほどミッションのはっきりした業界はない。「命のやりとりをする意義あるビジネス」と、高尚な哲学を持っている農業経営者も多数存じ上げている。会うと感動させられるほどすばらしい人たちも大勢いるのが農業業界だ。今こそ、農業経営者としての自社のミッションを自覚し、ミッション・ヴィジョン経営に取り組んでほしいと思う。 |
▼ミッション経営を実現するために事業ドメインを明確にする

【図1】
| ■ミッション・ヴィジョンを日々の業務にどう落とし込むか では、ミッション・ヴィジョンを戦略に結び付け、日々の業務に落とし込むためにはどうするか。ここでは、戦略を日々の業務にまで落とし込まれた「ビジネスモデル」が描けるかどうかが重要となる。ビジネスモデルを不明確なままにしておくとミッション・ヴィジョンがただのお題目に成り下がる危険性が高くなる。 そこで、ミッション・ヴィジョンをビジネスモデルにまで落とし込むために、有効なマネジメントツールがあるので紹介しておきたい。それが、バランス・スコアカード(BSC)である。 ■バランス・スコアカード(BSC)とは バランス・スコアカードとは、ヴィジョンや戦略を実現するために重要な、複数の評価指標からなるマネジメント手法である。ハーバード・ビジネススクール教授R.S.キャプランと、コンサルタントのD.P.ノートン氏1992年に提唱され、急速に普及してきた。1998年には、フォーチュン1000※の60%の企業が導入しているという驚くべき調査結果も発表された。日本企業においても、経営品質を高めるための効果的なツールとして急速に普及している。(※フォーチュンは、発行部数87万部、世界120ヶ国で延べ300万人が愛読する世界最大の英文隔週刊ビジネス誌) R.S.キャプラン教授は、「航空機のパイロットは航空機の操縦に際し、計器から提供される燃料、スピード、高度、方角、現在地と目的地などの情報を的確に把握し、航空機を安全に操縦している。経営を航空機のコックピットに例えてバランス・スコアカードと命名した。」と述べている。 この新しい業績評価システムの4つの視点とは、財務的視点、顧客の視点、社内ビジネスプロセスの視点、学習と成長の視点である。これらの視点は、従来の財務的視点のみにかたよりがちな経営分析に非財務の3視点を加えた画期的なものである。(以下、バランス・スコアカードをBSCと省略表示する) |
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【図2】 |
1.財務的視点 |
| ■BSC活用のためにも… 売上や利益は過去の事業活動の成果を表しているだけで、将来の業績を保証しているわけではない。BSCを用いることによって、顧客・ビジネスプロセス・学習と成長に関する指標といった、将来の財務成果に結びつく先行指標を管理できるようになる。また、これらの指標を生産現場や販売活動などへの部門展開をすることにより、一貫性のとれた戦略展開が可能になる。さらに、BSCは小規模な経営対にも有効であり、小規模企業や農業経営者にも利用価値が高い。 しかし、BSCは単なる業績評価のツールではない。戦略を展開し、その実現度を測定するが、その指標は戦略に密接に関係するものでなければならない。誤った指標は、意思決定をミスリードしてしまう。そのため戦略の策定、戦略マップの作成(戦略の図式化)、スコアカードの作成、モニタリング方法の開発などを一体として考える必要がある。 農業経営者が、お客様に最大限の満足を提供するとともに高収益を達成していくためには、経営トップの思いが反映された経営戦略と、それを実現するための独自性のあるビジネスモデルが必要である。これらを構築していくために、ブレーンストーミング、事業環境分析、競争要因分析、事業ドメインの検討、バリューチェーン等の検討を行なう。この一連の作業は農業経営者が主体的に行なうのが望ましい。 だが、経営実態が小さな組織で、自主的にこれらの作業を進めることは困難である。特に親子や夫婦などという家族が経営組織の中心の場合、ビジネスと家庭の事情が入り乱れることが多い。 そこで経営としてこのような取り組みをするためには外部からの参画が有効である。その参画の支援者としては、中小企業診断士やITコーディネーターなどの経営コンサルタントを活用すればよいのではないか。私としては、このような局面でお手伝いしたいものだと考えている。インチキではない本物の価値提供ができるはずと、私は確信している。 |
▼ビジネスモデルを明確にするための戦略マップの一例

【図3】
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※バランススコアカードについて ● 吉川教授のバランススコアカード講座 ● バランススコアカード解説 ● googleでバランススコアカードを検索(2003年12月で7330件) |
